4月8日発売 ゼロ式/秋田書店少年チャンピオンコミックス・エクストラ もっと!
地殻変動により、外界と深い溝で分断された世界の中で人々は日々を生きている。外に出る唯一の方法は、旧世代の手法を用いること。すなわち、かつて戦闘機として利用されていた特殊な鳥たち「ゼロ」の力が不可欠であった。生きる目的を持てずにいた日高ひふみは、ゼロに興味を抱き、パイロット登用試験を受験することを決めるが…!“人”と“鳥”と“隣の世界”の近未来SFファンタジー!!…というのがあらすじの引用ですが、パイロットがピュンピュン飛び回る冒険活劇を期待されると違うと思います。当初はそういう構想も無いわけじゃなかったんですが、描き終わってみますと、主人公ひふみの働くことへの姿勢の発見とか、もう一人の主人公ハルの挫折と、その後の立ち位置の模索という感じになったと思います。つまり”飛び立つまで”の話です。
が、そのままだと爽快感が乏しいので、描き下ろしでちゃんと飛んでるお話を描きました。
あとわたし別段ミリタリーに詳しいというわけではなく(好きではある)、その筋の方にはいろいろツッコミどころあると思いますが、でかい鳥が疑問もなくヒコーキとして飛んでる時点でとんでもファンタジーですから、ふんわり楽しんで頂けると幸いです。
ちなみにこちらで第一話の試し読みができます。
(雑誌掲載時のものなので、コミックスで最後のページのゼロとかちょっと修正しています)
なんとなくこういう世界観なんだなーと思って頂ければ…
特典につきまして、福家書店さんでお買い上げの方に描きおろしカラーペーパーがつきます。
マッチラベルっぽいのを目指してみましたよ。
ここから蛇足
原型を思いついたのはもう10数年以上前のことで、それがこうして一応はちゃんと話になって単行本にまでなるとは信じられません。
めでたい席ですので、死ぬほど恥ずかしいその辺の落書きをあげてみます。
たまーに思い出しては描いたりする程度だったんですけど、全体のイメージとかキャラクターはあまり変わってないですね…電光は当初ステルスだったそうだった。ファウベルは漫画ではアルバトロスになりました。
自分の中では今までで一番長く描かせて頂いた話でもあり、感慨深いです。
一度作ってその中でキャラクターを生活させた世界はずっと心に残るものですね。
話をまとめる上で、『丸の内』の外の世界や、シレトクがいかにして通信不能な向こう側と申し合わせをしたか云々のあたりを省いてしまったので、いつかまた機会があればその辺を加えたその後のお話も描けたらいいなと。
描いてる間中「この話はほんとに需要があるんだろうか…」という思いがずっとあって、せめて作画だけは頑張ろうと、画面に関しては納得行くまで描かせて頂けたと思います。
なんだかんだであと少しとなりまして、それなりに緊張してきました。
出てしまう以上は、読んでいただいてなんぼなので、お見かけの際はどうぞよろしくお願い致します!